法人成りする際の債務引継ぎ

法人成りをする
個人事業として行っていた事業を法人成りさせる際、資産および負債の引き継ぎがなされます。
引き継ぐ資産と負債を総額で売買した上で、資産と負債の額を相殺できるよう調整し、個人事業から法人成りした会社への営業譲渡の形が取られるのが一般的です。

しかし単独で個人事業の代表者が銀行から借り入れた資金等の債務を引き継ぐ場合、それらの債務を会社が、個人事業主の代わりに返済しなければなりません。
勘定項目は「代表者貸付金/借入金」となります。
会社側から見た場合、この債務は法人の口座から返済しつつ、 個人事業主への貸付金として回収していく必要があります。
個人事業主から見た場合は、借入先が銀行等から法人に変化したということになる訳です。

注意すべき点は、法人から個人事業主への貸付金とした場合、 早急に貸付金を回収しなければ会社から個人事業主へ利益供与したことになり、貸付金に対する利息を計上する必要性が出て来ます。

また、法人が借入金を個人事業から引き継ぐ根拠に合理性が無いと見なされると、将来的に利息を法人が負担しなければならない事態となります。
したがって、法人成りを考えたなら、個人事業から引き継ぐ資産および負債をトータルで見直した上で、検討することをお薦めします。